芥川龍之介
あくたがわりゅうのすけ
日本文学史に残る文豪。古典から題材をとつた『羅生門』『芋粥』『藪の中』『地獄変』『歯車』や、児童向けに『蜘蛛の糸』『杜子春』といった名作をのこす。代表作は数多い。1927年、芥川は35歳で服毒自殺。「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」という印象的な遺書の文句とともに、人気作家の突然の死は世間に衝撃を与えた。
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年表、功績
活躍の軌跡。『人生の残り時間』にも注目してください。意外な発見があります。
年月日 | 年齢(人生の残り時間) | 内容 |
---|---|---|
1892年03月01日 | 0歳 (あと35年) | 芥川龍之介、生まれる |
1927年07月24日 | 35歳 | 芥川龍之介、睡眠薬の服用に自殺。睡眠薬を処方したのは斎藤茂吉であった |
名作
芥川龍之介が携わった、大正史に残る名作を紹介します。
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エピソード・逸話
知られざる興味深いエピソードの数々。
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名言・最後の言葉
芥川龍之介が語ったといわれる言葉。人柄や当時の心情が見えてきます。
- 「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」
- 芥川龍之介の遺書に記されていた。今日でも非常に有名な一節である。
- 「天才とは僅かに我我と一歩を隔てたもののことである。同時代は常にこの一歩の千里であることを理解しない。後代は又この千里の一歩であることに盲目である。同時代はその為に天才を殺した。後代は又その為に天才の前に香を焚いている」
- 箴言集『侏儒の言葉』より。
- 「良心は道徳を造るかも知れぬ。しかし道徳は未(いま)だ甞(かつ)て、良心の良の字も造ったことはない」
- 箴言集『侏儒の言葉』より。
- 「阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている」
- 小説『河童』より。
- 「人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまふ。その愚を哂(わら)ふ者は、畢竟、人生に対する路傍の人に過ぎない」
- 小説『芋粥』より。
- 「どうか英雄とならぬように――英雄の志を起さぬように力のないわたしをお守り下さいまし」
- 箴言集『侏儒の言葉』より。
- 「我々は我々自身のあてにならない事を、痛切に知って置く必要がある。実際それを知っているもののみが、幾分でもあてになるのだ」
- 小説『首が落ちた話』より。
- 「打ち下ろすハンマアのリズムを聞け。あのリズムの存する限り、芸術は永遠に滅びないであろう」
- 昭和改元の第一日。箴言集『侏儒の言葉』より。また、同じ『侏儒の言葉』において『民衆』という題で芥川龍之介はこんな文章も残している。「シェクスピイアも、ゲエテも、李太白も、近松門左衛門も滅びるであろう。しかし芸術は民衆の中に必ず種子を残している。わたしは大正十二年に「たとい玉は砕けても、瓦は砕けない」と云うことを書いた。この確信は今日こんにちでも未だに少しも揺がずにいる。」
- 「僕は芸術的良心を始め、どう云ふ良心も持つてゐない。僕の持つてゐるのは神経だけである」
- 小説『歯車』より。
- 「わたしは不幸にも知っている。時には嘘に依る外は語られぬ真実もあることを」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『虚偽』より。
- 「運命は偶然よりも必然である。「運命は性格の中にある」と云う言葉は決して等閑に生まれたものではない」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『運命』より。
- 「我々の生活に必要な思想は三千年前に尽きたかも知れない。我々は唯古い薪に新らしい炎を加へるだけであらう」
- 小説『河童』より。
- 「我我を恋愛から救うものは理性よりも寧(むし)ろ多忙である。恋愛も亦完全に行われる為には何よりも時間を持たなければならぬ」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『多忙』より。
- 「強者は道徳を蹂躙するであろう。弱者は又道徳に愛撫されるであろう。道徳の迫害を受けるものは常に強弱の中間者である」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『修身』より。
- 「子供に対する母親の愛は最も利己心のない愛である」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『親子』より。全文は以下。「子供に対する母親の愛は最も利己心のない愛である。が、利己心のない愛は必ずしも子供の養育に最も適したものではない。この愛の子供に与える影響は――少くとも影響の大半は暴君にするか、弱者にするかである」。
- 「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『人生』より。
- 「人生は狂人の主催に成ったオリムピック大会に似たものである。我我は人生と闘いながら、人生と闘うことを学ばねばならぬ。こう云うゲエムの莫迦莫迦しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと埒外に歩み去るが好い」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『人生 --石黒定一君に--』より。
- 「人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れずに闘わなければならぬ」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『人生 --石黒定一君に--』より。
- 「正義は武器に似たものである。武器は金を出しさえすれば、敵にも味方にも買われるであろう。正義も理窟をつけさえすれば、敵にも味方にも買われるものである」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『武器』より。
- 「輿論(世論)は常に私刑であり、私刑は又常に娯楽である。たといピストルを用うる代りに新聞の記事を用いたとしても」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『輿論』より。
- 「理想的兵卒は苟(いやし)くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである」
- 箴言集『侏儒の言葉』の『兵卒』より。全文は以下。「理想的兵卒は苟くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである。即ち理想的兵卒はまず無責任を好まなければならぬ」。
子孫・子ども
偉人の血を受け継いだ方々を紹介します
- 芥川比呂志(あくたがわひろし)
- 芥川龍之介の息子(長男)にあたる。俳優、演出家。『演劇集団 円』の創立者である。
- 芥川多加志(あくたがわたかし)
- 芥川龍之介の息子(次男)にあたる。東京外国語学校仏語部に在学中、第二次世界大戦により招集され戦死。兄弟のなかでもっとも文学的才能があったといわれている。
- 芥川也寸志(あくたがたやすし)
- 芥川龍之介の息子(三男)にあたる。作曲家、指揮者。代表作は『交響三章』『交響管弦楽のための音楽』『弦楽のための三楽章』、映画音楽などでも『八甲田山』『八つ墓村(野村芳太郎監督)』『赤穂浪士のテーマ』。童謡では『小鳥の歌』『こおろぎ』など。
- 芥川耿子(あくたがわてるこ)
- 芥川龍之介の孫(長男・比呂志の三女)にあたる。エッセイスト、児童文学作家、詩人。
- 芥川貴之志(あくたがわたかとし)
- 芥川龍之介の孫(三男・也寸志の長男)にあたる。クリエイター、グラフィックデザイナー、エディター。
- 芥川麻実子(あくたがわまみこ)
- 芥川龍之介の孫(三男・也寸志の長女)にあたる。タレント、メディアコーディネーター、交通評論家。