発言者 芥川龍之介について
芥川龍之介のプロフィールを紹介します。
- 芥川龍之介
- 日本文学史に残る文豪。古典から題材をとつた『羅生門』『芋粥』『藪の中』『地獄変』『歯車』や、児童向けに『蜘蛛の糸』『杜子春』といった名作をのこす。代表作は数多い。1927年、芥川は35歳で服毒自殺。「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」という印象的な遺書の文句とともに、人気作家の突然の死は世間に衝撃を与えた。
芥川龍之介の他の名言
芥川龍之介の考えや人柄がわかる、その他の残された言葉。
- 「天才とは僅かに我我と一歩を隔てたもののことである。同時代は常にこの一歩の千里であることを理解しない。後代は又この千里の一歩であることに盲目である。同時代はその為に天才を殺した。後代は又その為に天才の前に香を焚いている」
- 「良心は道徳を造るかも知れぬ。しかし道徳は未(いま)だ甞(かつ)て、良心の良の字も造ったことはない」
- 「阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている」
- 「人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまふ。その愚を哂(わら)ふ者は、畢竟、人生に対する路傍の人に過ぎない」
- 「どうか英雄とならぬように――英雄の志を起さぬように力のないわたしをお守り下さいまし」
- 「我々は我々自身のあてにならない事を、痛切に知って置く必要がある。実際それを知っているもののみが、幾分でもあてになるのだ」
- 「打ち下ろすハンマアのリズムを聞け。あのリズムの存する限り、芸術は永遠に滅びないであろう」
- 「僕は芸術的良心を始め、どう云ふ良心も持つてゐない。僕の持つてゐるのは神経だけである」
- 「わたしは不幸にも知っている。時には嘘に依る外は語られぬ真実もあることを」
- 「運命は偶然よりも必然である。「運命は性格の中にある」と云う言葉は決して等閑に生まれたものではない」
- 「我々の生活に必要な思想は三千年前に尽きたかも知れない。我々は唯古い薪に新らしい炎を加へるだけであらう」
- 「我我を恋愛から救うものは理性よりも寧(むし)ろ多忙である。恋愛も亦完全に行われる為には何よりも時間を持たなければならぬ」
- 「強者は道徳を蹂躙するであろう。弱者は又道徳に愛撫されるであろう。道徳の迫害を受けるものは常に強弱の中間者である」
- 「子供に対する母親の愛は最も利己心のない愛である」
- 「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である」
- 「人生は狂人の主催に成ったオリムピック大会に似たものである。我我は人生と闘いながら、人生と闘うことを学ばねばならぬ。こう云うゲエムの莫迦莫迦しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと埒外に歩み去るが好い」
- 「人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れずに闘わなければならぬ」
- 「正義は武器に似たものである。武器は金を出しさえすれば、敵にも味方にも買われるであろう。正義も理窟をつけさえすれば、敵にも味方にも買われるものである」
- 「輿論(世論)は常に私刑であり、私刑は又常に娯楽である。たといピストルを用うる代りに新聞の記事を用いたとしても」
- 「理想的兵卒は苟(いやし)くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである」